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AWSサーバとは?オンプレミスとの違いやAWSでできることなどを解説

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供しているクラウドサービスの総称で、世界中で利用されているクラウドサービスの代表格です。近年では、自社でサーバーや機器を設置せずに、クラウドサービスを利用する企業が増加しています。

AWSサーバとは
総合評価
( 5 )
メリット
  • コストパフォーマンスが良い
  • セキュリティが高い
  • 柔軟性・拡張性が高い
デメリット
  • ノウハウが必要
  • 料金の見積もりが難しい

本記事では、AWSの基本概念から、代表的なサービスやメリット・デメリット、システム構築時に知っておくべき用語まで詳しく解説します。AWSの導入を検討している方や、クラウドの基礎を学びたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

AWSとは

AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。200以上のサービスが提供されており、これらをまとめて「AWS」と呼びます。特別な設備がなくても、インターネット経由でサーバーやストレージ、データベース、AIなどのさまざまなサービスを利用でき、スムーズに環境を整えられます。

従来のオンプレミス環境と比べて、従量課金制によるコストパフォーマンスの高さや、柔軟性や拡張性のあるシステム構築、セキュリティの高さなどが特徴です。AWSは世界中の企業が導入しており、NetflixやRICOHなどの大手IT企業も利用しています。

従来のサーバーとの比較

これまでのシステム運用では、オンプレミス(自社でサーバーを管理する方法)やVPS(仮想専用サーバー)などが一般的でした。AWSは、クラウド環境で柔軟にシステムを構築できるサービスですが、従来のサーバーとどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、「オンプレミスとの違い」「VPSとの違い」について解説します。

オンプレミスとの違い

オンプレミスとAWSは、主に導入の手軽さと運用効率の違いが挙げられます。オンプレミスとは、サーバー機器を自社内に設置し、情報システムの構築・運用をする方式のことを指します。サーバー機器の購入・設置にコストがかかることや、稼働までの納期がかかること、ハードウェア保守が必要になることなどがデメリットです。

一方で、AWSのようなクラウドサーバーは、CPUやメモリ、ソフトウェアなどをインターネットを通じて利用できます。物理的なサーバーの管理が不要になり、必要な分だけリソースを増減できる柔軟性、初期投資の負担が軽減されるなど、オンプレミスと比較するとメリットが多くあります。

VPS(バーチャルプライベートサーバー)との違い

VPS(バーチャルプライベートサーバー)とAWSはどちらも仮想化技術を活用したサーバーですが、主に柔軟性や料金に違いがあります。

VPSは、契約プランによって利用できるCPUやメモリが固定されています。そのため、サーバーの性能を向上させたり、リソースを増減させたりするには契約変更が必要です。

一方で、AWSは、必要に応じてCPUやストレージなどのリソースを柔軟に変更できます。アクセスの増減に応じたスケールアップやスケールダウンが可能になり、突発的なトラフィックにも対応しやすいのが特徴です。

料金面では、VPSは固定料金制が一般的で、コストが一定のため予算管理がしやすいというメリットがあります。一方、AWSは従量課金制の場合が多く、利用状況によってコストが変動するため、予算の見積もりが難しい点がデメリットです。

AWSで何ができるのか?

AWSでは、200種類以上のさまざまなサービスを提供しています。サーバーやネットワーク、データベース、ストレージといったインフラ機能に加え、AI・機械学習、IoT、ビッグデータ解析、セキュリティ管理など、最新技術を活用した高度なシステム構築も可能です。以下の表では、具体的にどのようなことができるのかを紹介します。

項目説明サービス名
サーバー構築仮想サーバーを作成AmazonEC2など
データ保存大容量データの保存やバックアップAmazon S3など
コンテンツ配信静的なコンテンツの配信Amazon S3など
Webサイトの構築・運用静的なwebサイトの構築・運用Amazon S3、Amazon Lightsailなど
データベース利用フルマネージドのデータベースを利用AmazonRDSなど
セキュリティ対策システムの安全性を強化AWS IAMなど
AI活用Amazonが保有するAIを利用Amazon Personalizeなど
IoTソリューションの構築低電力小型エッジデバイスのプログラミングから管理までの操作FreeRTOSなど
開発の支援AWSを使った開発を補助AWS CodeStar、Amazon CodeCatalystなど

AWSの代表的なサービス

AWSは、さまざまな用途に対応するサービスが豊富です。仮想サーバーの「Amazon EC2」やデータベース管理の「Amazon RDS」、コンテンツ配信の「Amazon CloudFront」、仮想デスクトップ環境を提供する「Amazon WorkSpaces」など、多岐にわたります。ここでは、AWSを活用する上で押さえておきたい代表的なサービスについて解説します。

AmazonEC2

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSの仮想サーバーを提供するサービスです。EC2の最大の特徴は、利用容量やアクセス量に応じて、自動的に料金が変動することが挙げられます。運営するWebサイトの規模やアクセス量に応じて利用する容量を調整できるため、柔軟な運用が可能です。突発的なアクセスの増加にも適応できます。

AmazonRDS

Amazon RDS(Relational Database Service)は、クラウド上でリレーショナルデータベースを管理できるサービスです。通常、自社のPCやサーバーにデータベースを構築する場合、ソフトウェアのインストールやバックアップの設定など、事前の準備が必要になります。しかし、RDSなら契約後すぐにデータベースを利用できるため、運用の手間を大幅に削減できます。また、MySQLやPostgreSQLなど複数のデータベースエンジンに対応しており、慣れ親しんだデータベース管理システムをそのまま活用できる点も大きな魅力です。

Amazon S3

Amazon S3(Simple Storage Service)は、オブジェクトストレージサービスです。容量が無制限なため、大量のデータを安全に保存できます。データは複数のサーバーに分散保存され、障害が発生してもデータ損失のリスクが低く、安定した運用ができるのが魅力です。データのバックアップ先として活用すること以外にも、大容量のデータの管理や、静的コンテンツを使用したWebサイトの公開にも利用できます。

Amazon Route53

Amazon Route 53は、AWSが提供するDNS(ドメインネームシステム)管理サービスです。Route53を使用すると、AWSで開発したWebサービスを任意のURLで公開できます。例えば、EC2で開発したWebサービスに「example.com」というドメイン名を設定し、ユーザーにその名前でアクセスしてほしい場合、Amazon Route 53がEC2とexample.comを結びつけ、任意のURLとして公開できます。

Amazon CloudFront

Amazon CloudFrontは、静的・動的なコンテンツ・ファイルを、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を通じてユーザーへ届けるサービスです。CloudFrontはEC2と同様に初期費用が不要で、使用量に応じた従量課金制を採用しており、コストの最適化がしやすい点も特徴です。「Amazon Prime Video」や「Hulu」などの動画ストリーミングサービスで導入されています。

Amazon Workspace

Amazon WorkSpacesは、クラウド型の仮想デスクトップサービス(DaaS)です。ユーザーはインターネットを介して仮想デスクトップ環境にアクセスできるため、時間・場所を問わずどこでも業務を行えるようになります。リモートワークや外出先での仕事など、さまざまな働き方に合うサービスです。

Elastic Load Balancing

Elastic Load Balancing(ELB)はロードバランシングサービスです。ロードバランシングとは、Webサイトのサーバーの負荷を分散させることをいいます。ELBには、ALBや、NLB、GLBなど、用途に応じた複数の種類があり、Webサービスの負荷対策や障害耐性を強化できます。

AWS Lambda

AWS Lambdaは、サーバーレス環境でプログラムを実行できるサービスです。ユーザーは事前に作成したプログラムコードをLambdaに設定するだけで、サーバーの管理をすることなくコードを実行できます。

従来、プログラムを動かすためには、アプリケーションサーバーやWebサーバーの準備、OS環境の設定などが必要でしたが、AWS Lambdaではこれらの手間を省くことができ、開発のスピードと効率を大幅に向上させることが可能です。

AWSのメリット

AWSは、企業や開発者が求めるITインフラをクラウド上で提供し、多くのメリットを持つサービスです。ここでは、AWSの主要なメリットについて解説します。

AWSのメリット
  • コストパフォーマンスが良い
  • セキュリティが高い
  • 柔軟性・拡張性が高い

コストパフォーマンスが良い

AWSは従量課金制を採用しているため、定額制と比べてコストを抑えやすいのが特徴です。利用した時間やデータ転送量に応じた費用のみを支払えばよいため、無駄な支出を削減できます。

また、必要に応じて機能の追加や停止が可能で、料金やリソースを柔軟に調整できるため、効率的なシステム運用ができます。企業の成長や需要の変化に応じた柔軟なコスト管理が可能な点が、大きなメリットです。

さらに、オンプレミス環境のようにサーバーやネットワーク機器を購入・管理する必要がなく、初期投資を大幅に抑えられるのも特徴です。

セキュリティが高い

AWSは、最新のセキュリティ技術を常に適用し、高度なセキュリティ対策を提供しています。サイバー攻撃などへの対策が備えられており、企業の機密情報を安全に保護できます。政府機関や金融業界、小売業、医療機関などの厳格なセキュリティ要件やコンプライアンス基準にも対応しているため、信頼性の高い運用が可能です。

柔軟性・拡張性が高い

AWSは、設定を変更するだけで必要に応じて容量を増減できるため、システムの負荷変動に柔軟に対応できます。例えば、アクセスが急増するイベント時には一時的にリソースを増大し、アクセスが落ち着いた後に削減するなど、柔軟な対応が可能です。

オンプレミスでは、一度サーバーを購入すると後からスペックを変更できないため、事業拡大に伴いリソースを追加する際は、新たなサーバーの購入が必要になります。AWSなら必要に応じてリソースを柔軟に調整できるため、無駄な支出を抑えながら効率的に運用できるのがメリットです。

AWSのデメリット

AWSは多くのメリットがある一方で、運用する上でいくつかのデメリットも存在します。専門的なノウハウが必要になることや、料金の見積もりが難しい点は注意すべきポイントです。以下ではデメリットについて解説します。

AWSのデメリット
  • ノウハウが必要
  • 料金の見積もりが難しい

ノウハウが必要

AWSを運用するには、従来のオンプレミス型サーバーとは異なる専門知識が求められます。クラウドサーバーの設計・構築スキルに加え、AWSが提供する200種類以上のサービスについて理解する能力が必要です。

また、AWSはインフラの提供までは行いますが、その後の管理や運用はユーザー側で対応する必要があります。そのため、問題が発生した際のトラブルシューティングやセキュリティ管理といった運用スキルも必要です。AWSのサービスは今後も増えていくと予想されるため、最新の技術や仕様を学び続ける姿勢が求められます。

料金の見積もりが難しい

AWSは従量課金制を採用しており、使用した分だけ料金が発生します。そのため、利用状況によっては定額制のサービスと比べてコストが高くなることがあり、事前に正確な費用を見積もるのが難しいことがあります。

AWSのシステム構築で知っておくべき用語

AWS(Amazon Web Services)を活用してシステムを構築する際、基本的な概念や用語を理解しておくことが重要です。ここでは、それぞれの用語について解説します。

AZ(アベイラビリティゾーン)

AZ(アベイラビリティゾーン)とは、AWSのデータセンターの集合のことを指します。それぞれ独立した電源やネットワークを備えており、あるAZが障害を起こしても別のAZが稼働できるようになっています。

Region(リージョン)

Region(リージョン)とは、データセンターの所在地のことです。AWSは世界中に複数のリージョンを持ち、それぞれ独立したリソースを提供しています。日本には東京と大阪にあります。

インスタンス

インスタンスとは、AWSの仮想サーバーのことです。RDSやEC2などのサービスを利用して構築された仮想サーバーを数える際の単位としても使われます。

サブネット

サブネットとは、AWSの仮想ネットワークであるVPC(Virtual Private Cloud)を、さらに分割したネットワークのことです。

IAM(アイアム)

IAM(Identity and Access Management)は、AWSにおけるアクセス管理サービスです。IAMを使うことで、ユーザーやサービスごとにアクセス権限を設定し、適切なセキュリティ管理が可能になります。

AMI(Amazon Machine Image)

AMI(Amazon Machine Image)とは、EC2インスタンスを作成する際のテンプレートのようなものです。AMIは仮想マシンのイメージとして、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェア、起動権限などがパッケージ化されています。AMIを利用することで、同じ環境や設定を持つインスタンスを効率的に複数作成でき、システムの一貫性を保てます。

AWSの導入を検討しよう

AWSは、従来のオンプレミスやVPSと比較して、高い柔軟性と拡張性を持つクラウドサービスです。本記事では、AWSの特徴や代表的なサービス、メリット・デメリット、システム構築時に必要な用語について解説しました。AWSを活用することで、コストを抑えながら効率的なシステム運用が可能になります。今後の導入や活用に向けて、基本的な知識を押さえ、最適なクラウド環境を構築していきましょう。

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