「太陽光発電を導入すれば、電気代が安くなるかも?」と期待する反面、「うちの店は建物が古いから、従来型の重いパネルなんて乗せられないのでは…」「屋根の耐荷重は大丈夫か」「初期投資が価格が高いと聞くし、本当に効果なしだったらどうしよう」といった、具体的な不安もあるかと思います。
また、「節電効果」が、実際のところどれくらい見込めるのか、投資回収には何年かかるのか、具体的な数字も知りたいところでしょう。この記事では、パチンコ店が太陽光発電を導入する際の基本的なメリットや、これまで設置が難しいと諦めていた店舗にも光を当てる超薄型太陽光という選択肢についても解説していきます。

- 古い・弱い屋根でも大丈夫:従来の太陽光パネルの5分の1の軽さ。旧耐震の工場、スレート・折板屋根、ビニールハウスなど、これまで設置が難しかった工場や倉庫にも対応できます。
- 工事は短期間・低コストで:両面テープや接着剤で設置でき、大掛かりな工事は不要 。工期を大幅に短縮し、コストを抑えます。
- 災害にも強い安心の長期保証:雪・台風・塩害に強い設計です 。さらに最大25年の出力保証付きで、長く安心してご利用いただけます。
- 未来のコストを削減:自家消費で電気代を削減するだけでなく、2028年から導入が見込まれる炭素税への対策にもなります。
- 持続可能な運用:将来、発電効率が低下した際も、パネルを廃棄せず重ね貼りする「リパワリング」技術で性能を回復させることが可能です。
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パチンコ店の消費電力量は太陽光発電と相性がよい
まず知っておきたいのが、パチンコ店という業態と太陽光発電の「相性」ですね。実は、パチンコ店は太陽光発電と非常に相性が良いと分析されています。
理由はシンプルで、電力消費のパターンにあります。太陽光発電は、当然ながら太陽が出ている日中の時間帯(朝から夕方まで)に最も多く発電します。
一方で、パチンコ店も、店内のきらびやかな照明、膨大な数の遊技台、そして快適な空間を保つための空調設備などで、まさしくその日中をピークに大量の電力を消費し続けます。さらに、多くの製造業工場とは異なり、土日祝日も関係なく、ほぼ年中無休で営業していることが多いです。
この「日中に」「毎日」大量の電気を使うという特性が、太陽光が発電する時間帯とほぼ完璧に一致するのです。これが何を意味するかというと、発電した電気を送電網に売電(逆潮流)することなく、その場でどんどん消費する「自家消費率」を極めて高く維持できるということです。
一般家庭の場合、日中は仕事や学校で不在がちなため、せっかく発電しても自家消費率は30%~50%程度に留まり、残りは売電に回ることが多いです。しかし、日中フル稼働のパチンコ店では、この比率が70%以上、場合によってはほぼ100%になることも期待できます。
発電した電気を無駄にしにくい理想的な環境だからこそ、高い投資回収率が期待できるわけです。
パチンコ店で太陽光発電を導入する4つのメリット
では、具体的に導入するとどんな良いことがあるのか、主なメリットを4つのポイントに整理してみました。単なるコスト削減だけじゃない、経営の安定化や社会的な評価にもつながる、多面的なメリットがあるみたいですね。
- 電気料金を抜本的に削減できる
- CO2排出量削減により企業の社会的責任を果たせる
- BCP(事業継続計画)対策・レジリエンス強化を図れる
- 企業イメージを顧客にアピールできる
電気料金を抜本的に削減できる
自家発電した電力を使うことで、電力会社から買う電気の量(kWh)を大幅に減らせます。特に、昨今高騰を続ける燃料費調整額の影響を受けなくなる点は、非常に大きなメリットです。電気を買う量が減れば、それだけ価格変動リスクから距離を置くことができます。
さらに、高圧電力契約をしている施設にとって、購入電力量を減らすこと以上に重要なのが「デマンド」の抑制です。日中の電力使用ピーク(デマンド)を太陽光発電でうまくカバーできれば、電気料金の「基本料金」そのものを下げることにも繋がる可能性があります。
デマンド(最大需要電力)は、過去1年間の電力使用量のうち、30分ごとの平均で最も大きかった値(ピーク値)のことを指します。高圧電力の基本料金は、このたった30分のピーク値によって決まることが多く、一度上がると1年間その高い基本料金を払い続けることになります。
特に夏場の冷房や冬場の暖房がフル稼働する午後の時間帯に、太陽光発電がピーク電力を肩代わりしてくれれば、このデマンド値を抑え込むことができ、年間の基本料金に大きく貢献する可能性があります。実際に導入したスーパーマーケットなどでは、電気料金が2〜3割削減できたというケースも報告されています。
CO2排出量削減により企業の社会的責任を果たせる
太陽光発電は、ご存知の通りクリーンな再生可能エネルギーです。化石燃料を使わないため、発電時にCO2を排出しません。
これを導入するということは、事業活動に伴うCO2排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献しているという明確な実績になります。これは、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で、とても分かりやすいアピールポイントになります。
近年は、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みや、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する経営が、金融機関からの融資や大手取引先との関係性においても重要視されるようになってきました。太陽光発電の導入は、こうした社会的な要請に応える具体的なアクションとしても評価されます。
BCP(事業継続計画)対策・レジリエンス強化を図れる
もしもの話ですが、台風や地震、落雷などの災害で広域停電が起きたら、営業は完全にストップしてしまいますよね。復旧が遅れれば、その間の売上損失は計り知れません。
太陽光発電設備を蓄電池とセットで導入しておけば、停電時でも系統から切り離して「自立運転」に切り替え、最低限の電力を自給自足できる体制を整えられます。
例えば、停電時でも「セキュリティシステムを維持する」「防災情報を流すモニターやスマートフォンの充電を開放する」「最低限の照明や空調を動かす」といったことが可能になります。これは、早期の営業再開を目指すだけでなく、地域住民の一時的な避難場所や情報ステーションとして機能することにも繋がり、企業のレジリエンス(強靭性)を飛躍的に高めることになります。
企業イメージを顧客にアピールできる
環境に配慮したクリーンなエネルギーを導入・活用しているという事実は、お客様や地域社会、さらには従業員に対しても強力なポジティブ・メッセージになります。
実際に、大手パチンコチェーンのマルハン中川店さんの事例では、太陽光発電設備の導入が、地域の清掃活動や端玉のお菓子の寄付といった他の社会貢献活動と並んで「SDGs(持続可能な開発目標)への貢献」として公表されています。
これは、単なるコスト削減策としてだけでなく、「私たちは環境や地域社会にも配慮していますよ」という戦略的なPRとしても機能している良い例ですね。駐車場の目立つ位置に「当店はクリーンエネルギーで運営しています」といったサインを掲示するだけでも、環境意識の高い顧客への良いアピールになります。
特にパチンコ業界では、こうした企業イメージの向上は、他の業種以上に重要な経営課題の一つかもしれません。また、こうした取り組みは、採用活動(リクルーティング)において、環境問題に関心のある若い世代へアピールする材料にもなり得ます。
パチンコ店では超薄型太陽光も選択肢になる

太陽光発電というと、一般的には「重くて硬い、青や黒のガラス製パネル」をイメージしますよね。そして、その重さゆえに「うちの古い建物では耐荷重が心配…」と導入を諦めていたケースも少なくないと思います。
しかし、最近は技術が進んでいて、「軽くて・薄くて・曲がる」超薄型太陽光パネルという選択肢も出てきています。
曲がるからさまざまな形状の屋根に設置できる

従来の硬いガラスパネルでは、設置が難しかったドーム型や「かまぼこ型」のようなR屋根(曲面屋根)ってありますよね。体育館や古い工場、デザイン性の高い商業施設などで見かけるタイプです。
超薄型太陽光は、製品によっては120度くらいまでしなやかに曲がる柔軟性があるため、そうした特殊な形状の屋根にもピッタリとフィットさせて設置できるようです。これまで「設置を諦めていた場所」が「発電所に変わる」可能性があるのは、大きな強みですね。
貼れるから壁面にも設置できる

超薄型太陽光は、従来のパネルの1/4〜1/5程度の軽さ(1㎡あたり約3kg)です。そのため、重いパネルを支えるための大掛かりな「架台」が不要で、専用の強力な接着剤や両面テープで「貼る」施工が可能な場合があるんです。
この「軽さ」と「貼れる」という特性は、旧耐震基準で建てられた古い建物や、荷重制限の厳しいスレート屋根など、従来型パネルの設置を断られがちだった場所への導入に道を開きます。また、屋根に穴を開けない施工は、雨漏りリスクを低減できるというメリットもあります。
さらに、この特性を活かして、屋根だけでなく建物の壁面に設置することもできます。特に豪雪地帯では、屋根が雪で埋まってしまう代わりに、南向きの壁面に設置する、といったユニークな活用法もあるようです。
都市部や住宅密集地で懸念されるのが、パネルによる「反射光トラブル」です。ガラスパネルを壁面に設置すると、時間帯によって太陽光が強く反射し、近隣の住宅に眩しい光を送り込んでしまうことがあります。
その点、この超薄型タイプはガラスを使用していないので、光の反射が「白く濁る」程度に収まるものが多いようです。近隣への配慮が必要な店舗には、これはかなり大きなメリットかなと思います。
駐車場のカーポートにも設置できる
パチンコ店といえば、広大な平面駐車場も大きな資産ですよね。この駐車場の上部空間を活用する「ソーラーカーポート」は以前からありましたが、ここでも超薄型太陽光の「軽さ」が活きてきます。
軽量なため、カーポート自体の構造(柱や梁)への負担を最小限に抑えられます。これにより、基礎工事や構造を簡素化でき、従来の重いパネルを乗せるカーポートよりもコストダウンにつながる可能性も期待できます。
お客様にとっては雨や夏場の強い日差しを避けられる快適な駐車場になり、店舗にとっては発電所にもなる。まさに一石二鳥の活用法だと思います。さらに、発電したクリーンな電力でEV(電気自動車)用の充電スタンドを併設すれば、新たな顧客誘引(来店動機)にもつながり、先進的な店舗としてのイメージをさらに高めることができますね。
高い耐久性で災害にも強い
「薄くて曲がる」と聞くと、すぐに破れたり壊れたりしないか、耐久性が心配になるかもしれません。しかし、実はガラスを使っていない分、衝撃で割れにくいという優れた特徴があります。
台風で小石などが飛んできても安心感がありますし、製品によっては風速60m/sの猛烈な風圧試験をクリアしているものもあります。また、塩害にも強く、海岸から50mといった、従来型パネルでは設置が難しかった臨海部の店舗でも保証対象になる製品もあるなど、日本の多様な自然環境に対応できる点も心強いです。
超薄型太陽光は、その技術的な優位性から、パネル自体の単価(円/W)は従来のガラス型より高価(約2〜2.5倍とも)になる傾向があります。
ただし、「架台が不要(または簡易で済む)」「施工が簡単で工期が短い(人件費削減)」といった要因で、設置にかかる副資材費や施工費が安くなる可能性があります。その結果、総工費(グロス)で比較すると、従来型と変わらないか、むしろ安くなるケースもあります。
| 比較項目 | 従来のガラス型パネル | 超薄型太陽光パネル(ペラペラ) |
|---|---|---|
| 重量 | 約11~17kg/㎡(重い) | 約3kg/㎡(非常に軽い) |
| 厚さ | 約35mm~(厚い) | 約3mm~(非常に薄い) |
| 柔軟性 | なし(硬い・割れる) | あり(曲がる) |
| 設置方法 | 架台・ボルト固定(穴あけ必要) | 接着剤・両面テープ(穴あけ不要な場合も) |
| 設置場所 | 耐荷重のある平らな屋根 | 耐荷重が低い屋根、R屋根、壁面 |
| 塩害耐性 | 弱い(例:海岸から500m以上) | 強い(例:海岸から50m以上) |
| パネル単価 | 標準 | 高め |
| 施工費 | 架台・設置費が高い傾向 | 架台不要な場合、施工費が安い傾向 |
| 総合コスト | ケースバイケース | トータルで安くなる場合あり |
パチンコ店で太陽光発電導入を成功させるポイント
ここまでメリットや新しい選択肢を見てきましたが、実際にパチンコ店が導入を成功させるには、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあると感じています。
一つは、導入形態(スキーム)をしっかり選ぶことです。これは技術的な問題ではなく、純粋に「どのようにお金を出して導入するか」という財務戦略の問題です。主に3つの方法があります。
- 自家所有(自己投資)モデル:自社で初期費用(現金または融資)を負担して設備を購入・所有する形です。電気代削減メリットを100%享受でき、補助金や税制優遇(即時償却など)を活用できるのが最大の強みですが、高額な初期投資が必要になります。
- PPA(電力販売契約)モデル:PPA事業者がパチンコ店の屋根を借りて、事業者の費用で設備を設置・所有します。パチンコ店は初期費用ゼロで、発電された電気を電力会社より少し安い単価でPPA事業者から購入します。手軽に始められますが、設備の所有権はなく、税制優遇も受けられません。契約期間が15年~20年と長期になるのが一般的です。
- リースモデル:リース会社が購入した設備を、月々のリース料を支払って借りる形です。初期費用を抑えられますが、PPAと同様に税制優遇の適用が難しく、リース料の総額は自家所有より割高になることが多いです。
自社の財務状況(手元キャッシュを温存したいか、利益が出ていて節税したいか)によって、最適な選択は変わってきます。
| 導入形態 | 初期費用 | 設備の所有権 | 税制優遇(例:即時償却) |
|---|---|---|---|
| 自家所有 | 高額 | 自社 | ◎ 適用可能 |
| PPAモデル | ◎ 原則ゼロ | PPA事業者 | × 適用不可 |
| リース | △ 低額(リース料) | リース会社(※) | △ 適用困難(契約による) |
もう一つ、非常に重要なのが、技術的なハードルを正しく理解することです。パチンコ店のような高圧電力施設では、単にパネルを屋根に乗せるだけでは終わりません。既存の「キュービクル(高圧受電設備)」とどう安全に接続し、電力会社と系統連系の協議を行うか、高度な電気工事の知識と経験が求められます。
さらに、「ソーラーカーポート」を駐車場に設置する場合、これは法的に「建築物」として扱われます。そのため、「建築確認申請」が必須になるケースがほとんどです。これは単なる電気工事ではなく、建築基準法が絡む「建設工事」の領域に入ってくるため、プロジェクトの難易度、コスト、スケジュールに大きく影響する「隠れたハードル」となり得ます。
まとめ
今回は、パチンコ店と太陽光発電の相性について、導入のメリットや「超薄型太陽光」という新しい選択肢という視点で、深く掘り下げてみました。
パチンコ店は、その「日中・高稼働」という電力消費特性から、太陽光発電の経済的メリットを最大限に引き出せる、国内でも有数のポテンシャルを持っています。電気代の削減はもちろん、CSRやBCP対策、さらには企業イメージの向上まで、得られるものは多岐にわたります。
特に、これまで「うちの建物は古いから」「屋根が特殊だから」と導入を諦めていた店舗にとって、軽量で柔軟な「超薄型太陽光」の登場は、その道を切り開く大きな可能性を秘めているかもしれません。
電気代の高騰や脱炭素化への対応は、まさに「待ったなし」の経営課題です。まずは自社の店舗でどれくらいの効果が見込めるのか、専門業者に屋根の状況や電力使用状況を診断してもらうことから始めてはいかがでしょうか。
