VPNが繋がらない、途中で切れる原因は「回線・端末」「VPNアプリ・サーバー」「接続先サービスのVPN検知」「滞在国の遮断」の4つに分けられます。
この記事では、ExpressVPNやNordVPNなど海外向けVPNアプリを使っている人向けに、上から順に試せば5分で直せる確認手順と、iPhoneで勝手に切れるときの設定を解説します。
ここで扱うのは、自分で契約した海外向けVPNアプリの話です。
会社から配られたVPN(FortiClientやCisco AnyConnectなど)が繋がらない場合は、社内のネットワーク設定が原因なので情報システム部門に相談してください。
| 根本原因 | よくある症状 | 直し方 |
|---|---|---|
| ①回線・端末側 | アプリが「接続中」のまま進まない。Wi-Fiを変えると繋がる | 原因1へ |
| ②VPNアプリ・サーバー側 | 特定のサーバーだけ繋がらない。アプリ更新後に不調 | 原因2へ |
| ③接続先サービスのVPN検知 | VPNは接続済みなのに、TVerや銀行アプリだけエラーになる | 原因3へ |
| ④滞在国側の遮断 | 中国など特定の国でだけ繋がらない | 原因4へ |
どの系統か分からない場合は、次の節の見分け方を読んでから、1分で試す3つの基本操作に進んでください。
VPNが繋がらない・切れる原因は4系統に分けられる
VPNのトラブルは、症状を見れば4つのどれかに当たりが付きます。
- アプリが「接続中」で止まる、または数秒でエラーに戻る → ①回線・端末側か②VPN側
- 接続済みと表示されるのにサイトが開かない → ③接続先の検知か、DNS・IPv6の問題(①)
- 接続できるのに数分で切れる、切れたりついたりする → ①端末の省電力か回線の切り替わり
- 日本では使えたのに、中国など特定の国に着いてから繋がらない → ④滞在国側の遮断
Googleの検索結果に出る「VPN接続ができない理由は何ですか」という質問への答えも、この4つのどれかです。
iPhoneで急に繋がらなくなった場合は、iOSの更新でVPNアプリとの相性が変わったか、低電力モードが原因のことが多く、これは①に入ります。
すぐ切れる、切れたりついたりするのは、端末がWi-Fiとモバイル回線を行き来するたびにVPNが張り直されているのが典型で、これも①です。
当サイトの検証チームが中国と海外出張先で使ってきた経験では、日本にいるときの「繋がらない」の大半は①と②で、海外滞在中の「繋がらない」は③と④の割合が一気に増えます。
まず1分で試す3つの基本操作
原因を調べる前に、次の3つを順にやってください。
ExpressVPNとSurfsharkの公式ヘルプが最初に案内している手順で、体感では、これだけで直ることがかなり多いです。
スマホはタスク一覧からスワイプで消す。パソコンは右クリックやメニューから「終了」を選ぶ。
片方で繋がるなら、原因は回線側(原因1)。
日本サーバーで駄目なら、同じ日本の別の都市か、シンガポールなど近い国を選ぶ。
サーバーの変え方は、ExpressVPNなら接続画面の「…」を押して国名を検索します。

NordVPNなら、地図か左側の国一覧から。

3つとも試して駄目なら、下の原因1から順に見ていきます。
原因1:回線・端末側の問題と直し方
VPNアプリそのものより、端末の設定や使っている回線が邪魔をしているケースです。
省電力モードとVPNの通信許可を確認する
スマホの省電力機能は、裏で動くVPNアプリを止める方向に働きます。
ExpressVPNの公式ヘルプも、切れる原因として「端末のバッテリー節約機能とネットワークの自動切り替え」を挙げ、Samsungなら「最適化」を「制限なし」に、OnePlusなら「バックグラウンドでの動作を許可」に変えるよう案内しています。
(出典:ExpressVPN サポート・VPN App Keeps Disconnecting)
- iPhone:「設定」→「バッテリー」で低電力モードをオフ。「設定」→「モバイル通信」でVPNアプリのモバイルデータ通信がオンになっているか確認
- Android:「設定」→「アプリ」→VPNアプリ→「バッテリー」で最適化の対象から外す。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」の歯車から「常時VPN」を確認
- Windows・Mac:セキュリティソフトの例外にVPNアプリを追加する。Windowsはネットワークアダプタの一覧でVPN用のアダプタが無効になっていないか見る
Surfsharkの公式ヘルプは、ウイルス対策ソフトがVPNを脅威と誤認することがあるとして、例外への登録と、他のVPNアプリを消すことを勧めています。
複数のVPNアプリを入れていると、お互いのネットワーク設定を奪い合って両方繋がらなくなるので、使わない方は消しておきます。
(出典:Surfshark サポート・How to fix unable to connect issues on iOS)
ホテルや空港のWi-Fiは、先にログイン画面を通す
ホテル、空港、カフェのWi-Fiは、ブラウザで利用規約に同意するまで外に出られません。
同意画面を通す前にVPNアプリを開くと、VPNが先に通信を掴んでしまい、同意画面が出ないままVPNも繋がらない、という状態になります。
順番は「Wi-Fiに接続→ブラウザで同意→VPNをオン」です。
キルスイッチを入れていると同意画面が開けないことがあるので、そのときだけ一時的にオフにします。
もっと詳しく:公共のフリーWi-Fiを安全に使う方法
IPv6が原因で「接続済みなのに開けない」が起きる
VPNは繋がっているのにサイトが開かない、または海外にいるのに日本のサイトから弾かれる場合は、IPv6の通信がVPNの外に漏れている可能性があります。
家庭の光回線やスマホの回線は、いまはIPv4とIPv6の両方のアドレスを持つのが当たり前になりました。
VPNがIPv4しか通さない設計だと、IPv6の通信は素のまま出ていき、サイト側にはあなたの本当の場所が見えます。
主要なVPNアプリなら、この漏れを止める仕組みは標準装備です。
- ExpressVPN:アプリがIPv6の通信を自動で止める。Windows・Mac・Linuxで有効
- NordVPN:全プラットフォームでIPv6の漏れを止める機能が標準で動く
- Surfshark:IPv6に対応していないので、繋がらないときはIPv6を無効にするよう公式が案内
(出典:ExpressVPN・IPv6 on or off/NordVPN サポート・How to avoid an IPv6 Leak/Surfshark サポート)
自分で切る場合、WindowsはWi-Fiまたはイーサネットの「プロパティ」でIPv6のチェックを外します。
Macは「システム設定」→「ネットワーク」→使っている接続の「詳細」→「TCP/IP」でIPv6の設定を「リンクローカルのみ」にします。
スマホは端末側で切れないので、VPNアプリのIPv6対策に任せるか、ルーター側でIPv6を止めるかの二択です。
原因2:VPNアプリ・サーバー側の問題と直し方
端末と回線に問題がなければ、VPN側の設定かサーバーの状態を疑います。
プロトコルを切り替える
VPNアプリには通信方式(プロトコル)が複数あり、既定の「自動」で繋がらない回線でも、別の方式なら通ることがよくあります。
公式ヘルプが案内している順番は次のとおりです。
| サービス | 設定の場所 | 試す順番 |
|---|---|---|
| ExpressVPN | オプション(設定)→プロトコル | 自動→Lightway UDP→Lightway TCP→WireGuard→OpenVPN TCP→OpenVPN UDP(iPhoneはIKEv2も) |
| NordVPN | 設定→接続→VPNプロトコル | 自動(NordLynx)→OpenVPN TCP→NordWhisper(規制の強い回線向け) |
| Surfshark | 設定→VPN設定→プロトコル | 自動→WireGuard→OpenVPN UDP→OpenVPN TCP |
| MillenVPN | アプリの設定→プロトコル | 自動→OpenVPN→WireGuard→IKEv2 |
(出典:ExpressVPN サポート・Can’t Connect to ExpressVPN/NordVPN サポート・Troubleshooting VPN connection in a country with internet restrictions/Surfshark サポート・What protocols can I use)
ホテルや会社のWi-Fiのように、特定の通信を絞っている回線ではTCP系が通りやすい傾向があります。
ExpressVPNの専用IPアドレスを契約している人は、Lightway以外では専用IPが使えない点に注意してください。
混雑したサーバー・メンテナンス中のサーバーを避ける
特定のサーバーだけ繋がらない、繋がっても極端に遅い場合は、そのサーバーが混んでいるかメンテナンス中です。
各社ともアプリの「おすすめ」や「最速」の表示から選び直せば、空いているサーバーに振り分けられます。
夜になると日本サーバーだけ遅くなるのは混雑が原因のことが多く、これは繋がらないのとは別の話です。
もっと詳しく:VPN接続で通信速度が遅い7つの原因
アプリの更新・再インストール・同時接続台数の上限
ExpressVPN、NordVPN、Surfsharkの3社は、繋がらないときの手順の最初か2番目に「アプリを最新版にする」を置いています。
OSの大型アップデートの直後は、古いアプリのままだと繋がらないことがあるので、まず更新、それでも駄目なら一度消して入れ直します。
見落としやすいのが同時接続台数の上限です。
家族のスマホやテレビにも入れていると、新しい端末だけ繋がらない、という形で上限に当たります。
- ExpressVPN:10〜14台(プランによる)
- NordVPN:10台
- Surfshark:無制限
- MillenVPN:無制限
上限に当たっている場合は、使っていない端末でログアウトするか、各社のアカウント画面から端末を外します。
原因3:接続先のサービスがVPNを検知している
VPNアプリは「接続済み」なのに、TVerやNHK ONE、ゲームアプリ、銀行アプリだけがエラーになる。
これはVPNの故障ではなく、接続先のサービスがVPNのIPアドレスを見分けて弾いている状態です。
当サイトに届く「VPNが繋がらない」という相談も、調べるとこの型だったということが珍しくありません。
見分け方は簡単で、同じVPNに繋いだままGoogleや当サイトなど別のサイトを開いてみます。
他のサイトが普通に開くなら、VPNは動いています。
エラー文に「VPN」「プロキシ」「お住まいの地域」「通信エラー」が出るのも、この型の目印です。
- 同じ国の別のサーバー(東京→大阪など)に変える
- アプリを一度閉じ、キャッシュを消してから開き直す
- アプリではなくブラウザ版で試す(アプリの方が検知が厳しいサービスがある)
- それでも駄目なら、専用IPアドレスのオプションか、別のVPNサービスを試す
サービスごとの通りやすいVPNは、それぞれの記事で検証結果をまとめています。
銀行アプリなど特定のアプリだけVPNから外したい場合は、スプリットトンネルが使えます。
もっと詳しく:VPNのスプリットトンネル(スプリットトンネリング)とは【使えるVPNと設定方法】
原因4:中国など滞在国側で遮断されている
日本では問題なく使えていたVPNが、中国に着いた途端に「接続中」のまま動かなくなる。
これは中国側の規制がVPNの通信そのものを見つけて止めているためで、端末やアプリの設定をいくら見直しても直りません。
当サイトの中国拠点(天津・蘇州・余姚・南昌)のチームが、繋がらなくなったときに実際にやっているのは次の3つです。
- 接続先を香港から日本(大阪・東京)に変える。中国向けVPNは既定が香港になっていることが多く、香港サーバーだけ止められている日がある
- プロトコルを変える。NordVPNなら難読化サーバーかNordWhisper、ExpressVPNならLightway TCPかOpenVPN TCP
- 中国向けに作られた予備のVPN(12VPXやUCSS)を1つ持っておき、メインが止まった日はそちらに切り替える
NordVPNの公式ヘルプも、規制のある国で繋がらないときの手順として、NordWhisperへの切り替え、難読化サーバー、OpenVPN TCPの順に案内しています。
もう1つ重要なのは、中国ではVPN各社の公式サイト自体が開かないことです。
契約もアプリのインストールも、出国前に済ませておくのが鉄則です。
12VPXは中国からでも申し込みページに届くので、現地で困ってからでも間に合います。
もっと詳しく:中国で本当に使えるVPNおすすめ5選【現地チームが接続テスト】/12VPXの評判/UCSSの評判
VPN Lifeは、中国でのビジネス・滞在経験が豊富なSNIのメンバーが運営しています。運営メンバーは中国の天津、蘇州、余姚、南昌などに拠点を置き、日常的な業務や生活を通じてVPNを利用。さらに、出張を通じて北京、上海、広州、厦門といった主要都市でも、それぞれのネットワーク環境におけるVPNの接続安定性を確認しています。
- 主な検証地域:中国(天津、蘇州、余姚、南昌他)
- 検証端末:iPhone・Android・PC等
- 検証者:VPN Life 運営チーム
- 検証結果詳細:最新の中国VPN接続検証まとめ
iPhoneでVPNが勝手に切れる・切れたりついたりするとき
iPhoneで「繋がるのに、気づくと切れている」場合、原因はほぼ次の4つに絞れます。
「設定」→「バッテリー」。バッテリー残量が少ないと自動でオンになるので、外出先で切れるときはまずここ。
「設定」→「モバイル通信」→「Wi-Fiアシスト」をオフ。Wi-Fiが弱いと勝手にモバイル回線へ切り替わり、そのたびにVPNが張り直される。
切れても自動で張り直すので、切れた瞬間に素の通信が出るのを防げる。
iOSの大型更新のあとに古いアプリで切れやすくなる例は毎年ある。
「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開くと、VPNの状態が「接続済み」か「未接続」かをアプリを開かずに確認できます。
逆に「VPNがオフにできない」「勝手にオンになる」で困っている人は、オンデマンド接続が働いています。
もっと詳しく:VPNをオフにするとどうなる?【常時接続の必要性は?】
切れないための予防設定:キルスイッチと自動再接続
直ったあとに入れておきたい設定が2つあります。
1つ目はキルスイッチです。
キルスイッチは「VPNが切れた瞬間に、すべての通信を止める」機能で、切れにくくする機能ではありません。
切れたことに気づかず、海外のIPアドレスのまま日本のサービスにアクセスしてアカウントを止められる、という事故を防ぐための保険です。
ExpressVPNは「ネットワークロック」という名前で、オプションの「一般」タブにあります。

NordVPNは「設定」→「キルスイッチ」で、インターネット全体を止めるか、指定したアプリだけ止めるかを選べます。

もっと詳しく:VPNのキルスイッチとは【キルスイッチの使い方】
2つ目は自動接続です。
「端末の起動時に接続」「信頼できないWi-Fiでは自動接続」といった設定を各社のアプリが持っていて、Androidは「常時VPN」と「VPN以外の接続をブロック」をOS側で指定できます。
海外滞在中は、この2つを入れておくと「切れていたことに後で気づく」がなくなります。
それでも直らないときの相談先と乗り換え
ここまで試して直らなければ、サポートの出番です。
ExpressVPN、NordVPN、Surfsharkは24時間のチャットサポートがあり、日本語で書いても自動翻訳で通じます。
MillenVPNは日本の会社なので、日本語のメールサポートです。
問い合わせるときに次の5つを添えると、やり取りが1往復で済みます。
- 端末とOSのバージョン(iPhone 15・iOS 26 など)
- VPNアプリのバージョン
- 試したサーバーとプロトコル
- 繋がらなくなった日時と、使っている回線(自宅Wi-Fi・ホテル・モバイル)
- エラー文言のスクリーンショット
契約して間もないなら、返金保証を使って別のサービスに乗り換える手もあります。
4社とも初回契約から30日以内なら全額返金で、SurfsharkとMillenVPNはサブスクプランのみが対象です。
乗り換え先を比べるなら、料金とサーバー数、同時接続台数を1対1で見られるVPNサービス比較ツールを使ってください。
当サイトで検証の結果、日本でも海外でも繋がりやすかったのはExpressVPNです。
FAQ:よくある質問
VPNに繋がらないのはスマホの通信制限のせいですか?
速度制限中でもVPNの接続自体はできます。
ただし制限中は接続に時間がかかり、アプリが途中で諦めてエラーにすることがあるので、Wi-Fiに切り替えて試してください。
VPNを繋ぐとインターネット自体が使えなくなるのはなぜですか?
キルスイッチが働いている状態か、VPN経由のDNSが引けていない状態です。
アプリを完全に終了してもネットが戻らないときは、キルスイッチを一度オフにしてから再接続してください。
無料VPNが繋がらないのは直せますか?
この記事の手順は無料VPNにも使えますが、無料VPNはサーバーが少なく混雑しやすいので、繋がらない状態が続きがちです。
海外で日本のサービスを使う目的なら、30日間の返金保証がある有料VPNを試す方が早いです。
もっと詳しく:無料VPNと有料VPNの違い
海外旅行中だけVPNが繋がらないのはなぜですか?
滞在国の規制(中国など)か、ホテルのWi-Fiがログイン画面を挟んでいるかのどちらかがほとんどです。
原因1の「ホテルや空港のWi-Fi」と原因4を確認してください。
VPNが切れるとバレますか?
切れた瞬間から、接続先のサービスにはあなたの本当のIPアドレスが見えます。
海外から日本のサービスを使っている途中で切れると、海外からのアクセスとして扱われることがあるので、キルスイッチを入れておくと防げます。
まとめ
- まず「アプリ再起動→回線切替→サーバー変更」の3つ
- 原因1:省電力・Wi-Fiのログイン画面・IPv6
- 原因2:プロトコル切替・サーバー変更・アプリ更新・台数上限
- 原因3:接続先の検知なら、サーバー変更かブラウザ版
- 原因4:中国なら日本サーバー・難読化・予備のVPN
- 直ったらキルスイッチと自動接続を入れておく
日本でも海外でも繋がりやすさで選ぶならExpressVPN、中国が主な滞在先なら12VPXが当サイトのおすすめです。
